人生で初めての彼氏にもらった最初の「旅行のお土産」は今もすごくよく覚えています。最初に頂いたプレゼントは、高校生にありがちな「自分の好きな曲を詰め込んだカセットテープ」でした。私もお返しにテープを作ったりしていました。新しいテープをもらうのが楽しみだったし、お返しに作るのも楽しかったなと覚えています。が、初めての旅行のお土産は昔のデパートの屋上でやる射的の景品のような、可愛いとは言い難い顔をしたウサギさんのついた、毛羽立った藁をペンキで塗りつないだようなカゴでした。
しかも、何の袋にも入っていなく、敢えて表現すれば土色掛かった緑色のウサちゃんのカゴです。この表現も、あの時の彼の気持ちを考えたらすごく失礼極まりないのですが、本人にも言っていることなので良しとしてしまいます。まだまだ一日会えなくても切なくて泣いちゃうような高校時代、彼が旅行に行くのもイヤだとすねたりして、漫画みたいな「帰ってきた彼との再会」をして、お互いの思いを確かめ合ったりした後に、「これ君に。」と差し出されたラッピングも何もないウサちゃんを見て、ビックリして口がきけなかったのを覚えています。
申し訳ないことに、最初は彼が本当にフザけているんだと思ってしまったのです。で、何とか笑って「またまた、冗談でしょう?」とか言ってしまっていたら、彼が旅先で一生懸命選んでくれたウサギさんだったんです。言い訳ですけれど、せめて旅館かホテルの名前入り紙袋にでも入っていてくれたら本気で冗談だと思ったりしなかったのかもしれない。悪かったなぁ。そのラッピングなしウサちゃんはその後事あるごとに彼が喧嘩の武器に使ってきましたが、あんまり言うので、お付き合いしていた何年かの内にちゃんと謝りました。実は気に入ったとさえ言いましたが、すみません、それはウソでした。今では年に1・2度会う友人になれましたが、ウサちゃんの話はたまにしかしません。割と長いこと恋人でいたので、今も彼に頂いたものが部屋に当たり前のように有りますが、ウサギさんは。どこに行ったんだろうな。